0乗の行動学

生活インフラの責任を誰が負うのか?

サラリーマン大家と不在家主


不在家主 生活インフラの責任を誰が負うのか?

不在家主は、国民の生活インフラの責任を十分取れないと言う理由から、賃貸業務はできないと言う法律ができるかもしれません。アパート賃貸業は、アパート投資、証券化が示すように、限りなく金融業に近づいています。しかし、法律は、家賃に消費税を課さないように、生活インフラを提供する社会事業と位置づけています。法律の精神は生活者寄りにあります。


不在家主の代表格 サラリーマン大家

銀行は、サラリーマンにその地位、属性に対して融資をします。事業にというよりは年収サラリーに対しての貸付です。これで不動産物件を買付け、賃貸管理会社に業務を一任し、不労家主となって不労所得を得るのがサラリーマン大家です。実際、銀行と不動産会社の間でサラリーマン大家を誕生させ、不動産のキャッチボールをしています。このボールから多くのにわか投資家が振り落とされます。運用ノウハウのない不在家主に不動産経営はできません。


自己破産する家主が増加
業者にカモにされた医者や外資系サラリーマン

金融緩和で融資条件が緩くなり、新たに不動産投資を始めたサラリーマンが条件の悪い物件を購入し、破産する問題が浮上している。共通するのは、医者や外資系企業勤務者など高所得者だ。その裏で、金融機関と不動産会社の癒着や、悪質なコンサルティング会社も暗躍している。大家さんはいい加減、アパート建設業者に騙された!とか言ってないで、自分の無知、勉強不足を恥じた方がいい。そもそも消費者じゃなくて事業者なんだから、言い訳はできない。(全国賃貸住宅新聞)

このにわか投資家の破綻が、不動産会社と銀行の儲かる組みとなっています。不動産は、大抵買った瞬間に値段が下がって同じ値段では売れません。サラリーマン大家は、この評価損を背負ってビジネスを始めることになります。これが不動産投資のリスクの始まりです。専業大家でも難しい経営に、何もノウハウや経営手段を持たずに、何で蚊帳の外に置かれたサラリーマンに勝算があるのか?

長期的な展望は全く見えて来ません。どんな経緯や内情があれ、経営責任を負うのは大家です。清算され借金が残りる公算が非常に強い。生活費で返済できる負債ではありません。安く買い戻されたり、担保物件が競売に掛けられ、また、優良物件として売り出されます。この負のループが、プロ集団の収益を生むカラクリとなっています。

不動産投資セミナーには必ず、成功者がサクセスストーリを語ります。誰にでも出来そうな錯覚を覚えさせます。働かなくてもお金が入る話ならなお更のめり込んでしまいます。ネットワークビジネスの勧誘も情報商材のアフリエイトも同じように主催者が儲かるように仕組んだ商法です。

不在家主は、法律的に、あるいは社会通念的にグレーゾーンと言えます。これは副業。会社員であれば内規に、公務員であれば法規に限りなく抵触します。公務員の不動産投資、経営は民業を圧迫します。限りなくレッドゾーンです。追い出し行為がもっと社会問題化すると規制の対象になります。

裁判沙汰になると家主の身分が明かされます。公になれば失職する恐れもあります。税務申告にもグレーゾーンを残します。生活インフラの責任も取れません。借金経営、低金利の時代がいつまで続くのか?サラリーマン大家は、多重のリスクを負っています。


金融庁・日銀、アパートローンの監視強化 過剰供給リスクで

金融機関による個人の貸し家業向け貸出(アパートローン)の急増に対し、金融庁・日銀が監視を強めている。相続税対策や超低金利を背景に、貸家の建設・取得需要が増大。空室率の上昇など供給過剰感が出始めたためだ。(2017.04)

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